立命館慶祥中学校・高等学校でアウトリーチ活動を行いました


 2025年1月11日、2023年度に続き、立命館慶祥中学校・高等学校で2回目の"One Health Defenders"を開催しました。One Health Defendersは、2022年のSaSSOH Student Sessionで学生委員のメンバーが作成したオリジナルのボードゲーム"Pandemic War"がプロトタイプで、今回のバージョンは、農場での食料生産と健康が関連する要素を盛り込んでいます。参加者数に応じて、複数の国を設定し、一つの国にPublic Health Officer, Minister of Agriculture, Investor, Researcher, Health Care Worker, Presidentの6名のプレーヤーを配置し、パンデミックの封じ込めに必要な要素を、ゲームを通じて理解するとともに、各国でのコミュニケーションと協働、国間での情報交換、国際機関への通報や支援要請など、One Healthアプローチに必要な要素を理解することを目的としたゲームです。今回のアウトリーチは中高生が対象ですが、昨年同様、全て英語で実施するというハイレベルな内容でした。

 このゲームでは、PPE(Personal Protection Equipment)を使ってPublic Health OfficerやHealth Care Worker(doctorを含む)を上手く防護することで、自国内の感染拡大を防ぎ、他国にまで感染を広げてしまうPandemicに陥ることを阻止できること、病気を治療するためにはdoctorに加えて栄養(食料)が必要なこと、薬やワクチンの開発には研究者と資金が必要なこと、開発した薬やワクチンが自国だけでなく他国の感染症制御に役立つこと、WHOのような国際機関が各国の疾病発生状況を収集して世界に情報発信することなど、感染症発生時の対策や各プレーヤー(セクター)の役割を、ゲームを通じて学ぶことができます。また、感染症発生を封じ込めるためには、プレーヤー間(セクター間)のコミュニケーションによる意思決定が重要であること、も体感することができます。

 

 

 当日は21名の生徒さんが参加しました。北大からは、教員3名、大学院生1名(3名の予定でしたが2名は感染症罹患のため不参加)、大学院修了生1名、職員2名がゲームの支援に赴きました。複雑なゲームなので、参加した生徒さんたちは、最初は戸惑いながら言葉少なめに、スローペースでのゲームの進行でしたが、内容を理解するにつれて、国内でのコミュニケーションが増え自然と声が大きくなり、さらにゲームが進むと、国間での情報交換や薬、ワクチン、食料の売買や寄附が進むなど、このボードゲームが目的とする方向に進んでいきました。約3時間のイベントでしたが、最後は、One Healthの考え方がどのようなところで役立つのか、国際協力の進める際のコツなどの話で締め括りました。

 卓越大学院プログラムでは、次世代教育としてOne Healthの概念や必要性を伝えるアウトリーチ活動を重視しており、今後もこのような中高大連携の活動を積極的に進める予定です。ゲームの内容および進行方法はまだまだ改善の余地があるため、参加した生徒さんからフィードバックを得つつ改善していく予定です。