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第35回 One Health Relay Report(生理学教室 山口 聡一郎 准教授)
第35回目は山口先生による「分子生理学について」のお話です。
山口 聡一郎 准教授
獣医学研究院
基礎獣医科学分野 生理学教室
【研究テーマ】
・イオンチャネル
・トランスポーター
「分子生理学の研究の面白さ」
生き物が生きている仕組みを明らかにするのが生理学です。そして、その仕組みを分子のレベルから明らかにするのが分子生理学です。私は生理学全般を研究領域としていますが、特にイオンチャネルやトランスポーターのアミノ酸レベルでの研究を好んでいます。イオンチャネルやトランスポーターは細胞での物質の輸送を行うだけでなく、電気信号を生み出すなど、細胞の生理機能にとってはとても大切なタンパク質です。アミノ酸レベルで研究を進めていき、タンパク質の機能を明らかにしていくと、一つ一つのタンパク質がいかに精巧に機能しているかを目の当たりにします。そして、多数のタンパク質の機能で細胞の機能が担われており、さらに数多の細胞の働きによって私たちは生きていることにまで思考を広げていくと、ただのタンパク質の機能が生命にまでつながっていることを実感させられ、命の不思議を感じます。
タンパク質の機能においては、動物種間の違いはほとんどありません。そして、タンパク質の機能を明らかにすることは、生き物の健康を守る方法の開発に繋がっていきます。そのため私はタンパク質の機能を明らかにしていくことでOne Healthに貢献することを目指しています。
分子生理学的手法により明らかにした、
あるイオンチャネルのCa2+結合部位
現在研究を進めるH+チャネルの電流測定結果