One Health フロンティア卓越大学院プログラム

 One Healthフロンティア卓越大学院プログラムは、総合大学の利点を活かし、獣医学、感染症学、医歯薬学、保健科学、環境科学などが協働し、さらに国際行政・協力機関、連携他大学および民間企業との連携体制を整えた教育プログラムです。

 

 

 予防・治療薬の開発や防疫対策の推進により制御が可能となった感染症がある一方で、新興・再興感染症は次々に出現し、人類の脅威となっています。また、化学物質による人と動物の健康被害、生態系の破壊は、人間が生活の利便性を享受する限り絶えず発生しています。これらの発生に国境はなく、現代に生きる我々は、健康被害を引き起こすハザード(感染症病原体と化学物質)から、人や動物の健全な生活環境を守り、持続可能かつ健全な生活環境・生態系を次世代に引き継ぐ使命を有します。

 北海道大学大学院獣医学院・国際感染症学院が中心となって推進する「One Healthフロンティア卓越大学院」では、疾病制御・予防の理念を明確に持ち、バランス感覚に優れた国際性を備え、動物、人および生態系の健康を俯瞰的に捉えOne Health に係る問題解決策をデザインして実行できる専門家(知と技のプロフェッショナル)を育成します。

 

 

One Healthとは…

 One Health の概念は、1860 年代にドイツの病理学者Virchow の人獣共通感染症の考え方に端を発し、2004 年のマンハッタン原則(野生動物保全協会)で「人獣共通感染症の制圧と生態系の健全性維持には、多くのセクターの協働による領域横断的取り組み“One Health approach”が必要である」ことが提唱されたことにより明確化されました。その後One Health の概念は進化し、「人と動物の病気の共通性から、医学・獣医学の連携は双方の健康の向上に繋がる」とするZoobiquity(汎動物学)の観点から、医学系と獣医学系領域の一層の連携推進が求められています。