第8回 One Health Relay Report(人獣共通感染症リサーチセンター 髙田 礼人 教授)

2020/05/27


 

第8回目は髙田先生による「フィロウイルスについて」のお話です。

 

 

 髙田 礼人 教授

 人獣共通感染症リサーチセンター 

 国際疫学部門

 

【研究テーマ】

 フィロウイルスの生態とコントロール戦略

 

 

 

 

「フィロウイルスについて」

 

フィロウイルス科に属するエボラおよびマールブルグウイルスは、ヒトを含む霊長類に重篤な出血熱(エボラウイルス病およびマールブルグ病)を引き起こします。これらのフィロウイルスによる感染症の発生は散発的にアフリカ諸国で報告され続けています。

 

発見当初からしばらくの間、フィロウイルスはアフリカ特有のウイルスであると考えられていましたが、近年ではヨーロッパやアジアにおいてもその存在が確認されています。また、これまでにフィロウイルスによる感染症の発生報告が無い地域の動物からウイルス遺伝子や抗体が検出されるなど、未知のエボラウイルスがアジアも含めて広範囲に存在する可能性が示唆されています。

 

フィロウイルスの自然宿主(もともとウイルスと共存している生物)としてコウモリが最も疑われていますので、私たちはアフリカでコウモリの感染状況を調べるために、ウイルス遺伝子や抗体の調査をしています。

 

西アフリカ(2013-2016年)とコンゴ民主共和国(2018-2019年)で発生した大規模なエボラウイルス病の流行を契機に、予防・治療・診断法の研究開発が加速し、未承認のワクチンおよび治療薬の臨床試験が進められました。私たちが開発したエボラウイルス病の迅速診断キットも実際に使用され、感染拡大防止に貢献しています。

 

人間社会へのフィロウイルスの侵入阻止および早期診断による適切な封じ込め措置が可能となるように、様々な研究を続けています。

 

  

                ザンビアにおけるサンプリング調査の様子

 

 独自に開発したエボラウイルス病の迅速診断キット


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