第2回 One Health Relay Report(獣医内科学教室 大田 寛講師)

2020/02/03


第2回目は大田先生による「ミニチュア・ダックスフンドの炎症性結直腸ポリープの病態解明」についてのお話です。

 

獣医学研究院 獣医学部門 臨床獣医科学分野

        大田 寛 講師
        【研究分野】

ライフサイエンス / 獣医学

 

 

 

 

 

   

 

【研究紹介】

炎症性腸疾患(Inflammatory bowel disease: IBD)は医学の領域において原因不明の難治性の腸疾患として非常に重要な疾患です。人のIBDはクローン病と潰瘍性大腸炎に大きく分けられますが、その発症原因は不明であり、世界中で精力的に病態解明のための研究が行われています。犬においてもIBDと呼ばれる病態が存在し、リンパ球性形質細胞性腸炎と診断されることが一般的であり、世界中の様々な犬種での発症が報告されています。一方で、日本国内のミニチュア(M)・ダックスフンドという犬種において、大腸に限局してポリープ病変を形成する炎症性結直腸ポリープ(Inflammatory colorectal polyps: ICRPs)という腸炎の発症が数年前より報告されています。私たちは、この特殊な腸炎の原因を明らかにすべく、様々な病態解析を行ってきました。これまでの研究によりICRPsの病変部では、人のIBDの発症にも深く関わるインターロイキン-17などのサイトカインや、炎症細胞を強力に引きよせるケモカインであるインターロイキン-8の発現が顕著に増加していることを明らかにしてきました。また現在では、ICRPsの発症に関与する原因遺伝子の特定を目指した研究も行っています。これらの研究成果が、犬のIBDの病態解明に寄与するに留まらず、人のIBDの病態解明にも貢献できることを期待して研究を続けています。

 

         

 


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